公募情報(抜粋)
公募の条件の正式な情報は下記東大HPなどに掲載しております。詳細については必ずこれらを確認ください。
JREC-IN 公開情報 (東大HPと同じ内容です)
1. 公募概要(抜粋)
職名・採用人数:特任研究員 もしくは 特任助教 最大2名
勤務形態:常勤(特定有期雇用教職員)
所属:東京大学生産技術研究所 定量生物学研究室(小林徹也研究室)
勤務場所: 東京都目黒区駒場4-6-1
業務内容: 数理モデリングとデータ解析の方法論を融合して、 生体における適応現象や情報処理の理解や制御・予測を目指す研究に従事いただきます。数理、物理、情報、神経科学、生物情報、工学、生命など多様なバックグラウンドからの応募を歓迎します。 生物系の知識や研究経験は問いません。関連する主なプロジェクトは以下の様になっています。:
生体が多様な化学分子の混合情報を処理する機構の理解と応用(嗅覚系、免疫系、シグナル伝達系など)
応募資格
原則として博士の学位を有する者(募集時点で学位取得見込みを含む)
原則として、採用日現在において博士学位取得後8年未満の者(ただし応相談)
博士後期課程教育もしくは研究経験を有し、数理解析もしくはデータ解析のいずれかにおいて研究を遂行できる能力のあるもの。
※ 応募時点での生命科学系の研究経験・教育は問わない。
※ 候補者の経験・能力・実績に応じ、特任助教での雇用も検討する。
任期
採用日は、2021年9月~2022年4月1日の間を想定 (採用決定から最短で約1ヶ月程度手続きに時間がかかります)
※2021年度学位取得見込みの方など、採用日には柔軟に対応します。
※雇用契約は年度ごとで、予算の状況、従事している業務の進捗状況、契約期間満了時の業務量、勤務成績、勤務態度、健康状況等を考慮のうえ契約を更新する場合がある。試用期間あり(6か月)
※着任時期は応相談可(採用日よりも早いものも遅いものも)
給与
月額30万円~45万円(経験による)
※下限の月額30万円は応募資格を完全には満たさない申請者を想定して設定しています。情報系・数物系、データサイエンス研究に実績のある申請者は月額35万円~45万円で考えています。
2. 業務内容の追加情報
現在、定量生物学研究室では下記のテーマを進めています。
なお関連キーワードは各テーマと様々な分野との接点を示すために挙げており、実際にはご自身の研究と2個程度のキーワードとに関連が見いだせれば研究遂行上は問題ありません。
生体が多様な化学分子の混合情報を処理する機構の理解とその応用
生体は環境から、極めて複雑かつ多様な化学物質の情報を受け取り認識・処理することで、複雑な細胞応答・分化経路の選択(シグナル伝達系)、様々な匂いの認識(嗅覚系)、そして多様な病原体の認識(免疫系)などを行っています。そしてこの情報は、多種の受容体や多種の細胞による交差応答やクロストーク反応によって分散的に担われています。
これまでに研究室では、最適フィルター・最適制御理論を元にした匂い感知と探索行動の最適性、適応免疫学習のネットワーク強化学習による理解など理論面での研究を進めてきました。また同時に、次世代シーケンスデータや免疫細胞数の定量計測をもとに、免疫受容体の多様性(レパトア)解析や免疫細胞群の恒常性維持機構を明らかにする情報学的手法の開発も行っています。
本研究はこのようなアプローチを更にすすめ、多種の混合化学情報の解読に取り組むものです。多種分子認識の情報処理過程を理解し、多元入出力関係の予測につなげる数理理論やデータ解析法の構築を目指します。嗅覚系・免疫系は、多種の受容体が取得した分散情報をさらにランダムprojectionにより高次元の空間に射影し、そこから化学物質の感知や共通性の分類を行っているという性質があります。このような化学物質認識に特有な情報処理ネットワーク構造の機能を数理的・物理化学的に理解するとともに、その性質を活用して新たなデータ解析方法につなげます。また、このようなシステム全体の性質を、情報理論や統計物理学の手法だけではなく、グラフネットワーク構造やトーリック系に基づく代数理論も活用してとらえることも進めます。
これらの理論から得られた予測は、並列したシグナル伝達系の同時イメージング、嗅覚受容体の網羅的応答データ、そして免疫受容体多様性のシーケンスデータなどを用いて検証します。また最適な交差応答の設計理論やその化学センサーアレイ設計への応用、さらにフードテックに向けた匂いの設計(味の素共同)も予定しています。
この研究は、JST CRESTプロジェクト(2020/11~2025/03) および 部分的に(株)味の素との共同研究の一環として行います。
関連キーワード:化学反応モデリング、Chemical network theory、多元情報理論、圧縮センシング、アクティブセンシング、計算代数学、トーリック多様体、ケモインフォマティクス、グラフ畳み込みネットワーク、ネットワーク解析、時系列解析、情報ボトルネック、1分子計測、次世代シーケンス解析、GPCR、嗅覚、免疫レパトア
3. その他の情報
定量生物学研究室については、https://research.crmind.net を参照ください。
質問については、tetsuya アット sat.t.u-tokyo.ac.jp にて受け付けております。
当研究室は過去10年間に計7名の研究者を特任研究員・特任助教として受け入れています。
その多くが他分野から参入しました。具体的には、理論物理学、医療画像工学、理論神経科学、生物物理学、応用数理などです。これらの方々はこれまでに、学振PD、助教(非特任) x 2、特任准教授、政府系研究所 主任研究官(講師・准教授相当)などに転出しています。
また現在定量生物学研究室には、数理情報学(情報理工系)、生物情報学、工学(電気系)、物理などの分野からの博士前期・後期課程の学生が在籍しており、学生らと協働して研究を進めていただきます。
現在および過去のメンバーについては、https://research.crmind.net/about.html を参照ください。