このノートは旧Blogの2009年4月6日のコピーです
Uri Alonのページで掲載されていた、学会などでのtalkについての気をつけるべきポイントをまとめた文章、「How to give a good talk」を読んでと思ったことです。
注:このノートの作成元となった文章はMol Cellの文章の前の公開版であり、ここで言及している内容とMoll Cellの内容は異なる場合があります。How to choose a good scientific problemと比べるとこちらの方はわりと普通だけれど、ちゃんと守るべきポイントがまとまっていてよいと思います。
要約してしまえば項目は以下の3つになります:
以下にそれぞれについての詳細と自分のコメント(反省??)を加えてみました。
細かいポイントは以下のとおりです:
基本的にほぼagreeなのですが、いくつか自分ではこう考えるかな、と思うものもあります
その一番の大きなものは「質問形は避ける」というもの。確かに質問系ばかりなのはまずいのですが、発表している科学的な興味について「なぜ?」という疑問を聴衆に共有してもらうのは大切です。うまくポイントポイントに組み込むと疑問形は非常に効果的だと思います。
ほかは少しマイナーなことになりますが、「複雑なスライドは単純な複数のスライドに」というのも必ずしも成り立たない場合があります。
確かに複雑なスライドは情報量が多すぎるので、いっぺんに見せるのはNGだと思います。ですが、アニメーションを使って部分部分を見せれば、思考を誘導することができます。
また1つのスライドにまとまっていることの利点として、説明が終わったとき、その1枚のスライドを見ればすべての情報がある、という状態にできますし、ここの単純な部分の関係を一目で見ることができます。
単純なスライドを並べたときの欠点は、演者のtalkの流れに乗って聞いている時はいいのだけれど、ふと、「あれってどうなってたかな?」という風に少しまえのことを考えるとき、路頭に迷ってしまうことがあります。さらに、プレゼンを配布資料として配る場合は、単純な複数のスライドはあまり適していなかったりします。
ですので私は複雑なスライドはうまく使えば逆にメリットも多いのでないかと思っています。
要点は以下のとおりです。
プレゼンに参考になる非常にまっとうな話もあるのですが、すこし行きすぎな感もあります。たぶんそれはAlonが学生時代に演劇をやっていたらしいということに関係あると思います。実際彼の話を聞いたことがありますが、かなり芝居がかっています。でもアメリカとかではそれくらいやらなければいけないのかもしれませんね。
ただ自分でも大事だと思っていてまだちゃんとできていなことが多いので、よい反省になります。
要点は以下の通り:
質問の時のtipsというのはあまり聞かなかったのでとても参考になります。特に1~5については、基本として身につけるべきだと思いました。
その中でも「始めの質問への答え方がframeをつくるので、1つ目の質問には時間を取る」というのは自分でもあまり意識したことがなかったのでとても参考になる点です。確かに言われてみるとそのとおりだし、このように考えると、質疑の時間というのが、聴衆の質問に対して答えるという受け身のあり方だけではなく、質疑の時間すらも自分の発表として創りあげてゆく、という考え方につながります。
普通の学会とかはわりと素直にというか、構えずに質問に向かい合うのがよいと思うので必ずしも6は必要ないかもしれませんが、面接のときなどにはかなり大事なポイントになると思います。
ちゃんとチェックリストを作って、講演の前と後に確認するとかなり技術は上がるのかな、と思いました。